金澤翔子はマスコミをはじめ様々な方面で取り上げられており、現在もっとも有名な女流書家の一人です。彼女にダウン症があるということではなく、そのあまりにも生命力に満ちた純粋な書が、多くの人々に大きな感動を与え、「元気」を感じていただいているがために注目を集めているにほかなりません。
それは彼女の書が、文字の表出的な意味を抜け出し、その文字が本来孕む根源的なエネルギーを彼女の筆を通してほとばしらせているからです。つまりは単なる形、意味としての文字を超えた彼女の「力」に強く感動するからなのです。これほどまでに純粋無垢に「文字」に「生命の力」を宿すことができ得る芸術家が、現在ほかにいるでしょうか。「言葉」、そして「文字」本来の「力」を表現できる現存唯一の芸術家といっても過言ではありません。
古来より声によって発せられた言葉、そしてそれを視覚化し、さらにあらためて自らの意識の中で無音の内に音声化する文字は「言霊」と呼ばれるエネルギーを内に含むと考えられています。私たちは生来その言霊を欲しているがゆえに、金澤翔子の作品に強く惹かれるのだと思います。金澤翔子の書にはその「言霊」が宿っているのです。決して絵画的な書ではなく、真向、「書」そのものです。
昨今のデジタルテクニックが蔓延する中、自ら文字をしたためることが極度に少なくなり、年賀状でさえも宛名面、裏面を印刷で済ます人が増えているのが現状です。文字を自ら書くことが少なくなった今だからこそ金澤翔子の純粋無垢な作品世界を開催する意義があると考えます。
2012年のNHK大河ドラマ「平清盛」の題字を手掛けたのをきっかけに一躍世界中の人々の注目を集め続けている金澤翔子ですが、2019年11月のローマ教皇の訪日に合わせ、作品「祈」をバチカンに贈呈し、さらには東京2020公式アートポスター制作の一人にも選ばれるなど今後ますます注目される芸術家です。
本展では屏風作品などの代表大作を含めて展観するほか、本人による席上揮毫パフォーマンスと、母として彼女を育て、そして書家として彼女を導いた金澤泰子氏の講演会の開催も可能です。
また、販売物も多数ありますので、収益性につきましてもお役に立てることと思います。
【個展歴】
*上野の森美術館、福岡県立美術館、愛媛県立美術館、山形県美術館、浦添市美術館、東京芸術大学、など多数
*建長寺、建仁寺、東大寺、薬師寺、中尊寺、延暦寺、熊野神社、伊勢神宮、春日大社、厳島神社、など多数
*ニューヨーク、チェコ、シンガポール、ドバイ、ロシア、台湾