葉 祥明(よう しょうめい) 略歴
葉 祥明は1972年に絵本「ぼくのベンチにしろいとり」を発表後、絵本「風とひょう」によって1990年ボローニャ国際児童図書展グラフィック賞を受賞し、そのほか120点を超える数多くの絵本によって世界的にも高く評価されている絵本作家であり、画家であり詩人でもあります。葉 祥明の創り上げるその作品世界は「愛」に満ちており、世代を超えてその世界に触れる人々を優しく感動へと誘います。
中でも地球上に一億個以上がばら撒かれており、今もなお大切な生命を奪い続けている対人地雷廃絶のためにボランティアで創作に取り組んだ「地雷ではなく花をください」シリーズは、世界中の人々を感動の渦に巻き込み、真の平和を求めるメッセージを全世界に伝えました。
本展覧会は「 葉 祥明 HEART&ART 展 」として葉 祥明の多岐に渡る創作世界を、いくつかのテーマに分けて展観するものです。
展示作品内容
1. 「地雷ではなく花をください」
5冊、100点以上にも及ぶ本シリーズの原画からどれか1冊分すべての作品を展観し、併せて今もなお続く「対人地雷の」現状を、地雷の見本やパネルなどの展示をまじえて訴えます。
2. 「ジェイク」
葉 祥明の代表的なキャラクターである犬の「ジェイク」を描いた作品。販売用のグッズも多く、原画の展示は必ず多くのファンが望む企画です。
3. 「油 彩 ・ 水 彩」
普段あまり見ることのできない葉 祥明の油彩・水彩作品を展観します。静かで透明感溢れる色彩と光の世界をご堪能いただきます。
4. 「宙 と 海」
葉 祥明の創作世界の大きなテーマである「生命」を表現する括りとして、「宇宙」と「海」をモティーフに描いた作品を展観いたします。
5. 「母 子」
葉のもう一つの「生命」のテーマとして、新たな生命を産み出す「女性」と「こども」があります。一見偶然に思われる一つの必然「出産-誕生」。母の胎内にいるときからすでに生命とえにしの交感が始まっているのだという葉 祥明。最近親子間での陰惨な事件が頻発していますが、そういう現代日本人に向けての「生命」と「絆」のメッセージです。
6. 「さとうきび畑」
「ざわわ ざわわ ざわわ 広いさとうきび畑は~ 」というフレーズで始まる「さとうきび畑」はちあきなおみ、森山良子、新垣 勉ら多くの歌手がレパートリーに取り上げ、誰もが一度は耳にしたことのある名曲です。詩、曲はともに寺島尚彦(故人)です。沖縄戦の悲劇と戦争の廃絶をテーマにした詩の内容はメロディの美しさとともに多く人々の共感を集め、これからも長く受け継がれていく作品ですが、葉 祥明は寺島氏存命の時に、その詩と絵を組み合わせてたいへん美しい1冊の絵本を上梓しています。
7. 「ことばのせかい」
葉 祥明は画家の他に詩人としても数多くの詩作を続けており、絵画とはまた違った表現方法でその自身の世界を追求しております。その中から直筆の詩の作品を展観いたします。
以上7つのテーマをもとに会場を構成いたします。